『あの子のリズム、わたしのリズム』

記録:ミミさん(2025年6月23日)


昨夜は少し明かりをつけて、Amazonミュージックの「眠りのための自然音」をかけてみた。
全6時間のこの環境音が、部屋にやわらかく流れたまま夜が過ぎる。
それがちょうど良かったのか、ここ最近続いていた「午前3時の定期鳴き」がなかった。
もしかしたら──ほんの少し、安心できる夜になったのかもしれない。

朝。
トイレのタイミングを逃さないようにと気をつけていたけれど、またしても…先にクレートから出したあとに失敗。
「なんでよ、さっきしたでしょ?」と、思わず口をつきそうになるけど──ここはグッとこらえる。
反応すると、それが癖になってしまう。犬の世界では、沈黙が一番の対応だと学んだ。
そして、黙って、掃除。

ご飯のときの「おすわり」、名前を呼んだら「こっちに来る」、そういったことは、少しずつだけど形になってきた。
でもトイレだけは、まだ壁が高い。

どこかで、キキの赤ちゃんの頃を思い出していた。
トイレトレーニングに悩んでいたあの頃──
あの日、おしっこまみれのマットレスの上で、ノブさんが二度寝していた光景が、ふっとよみがえる。

午前中。
今日は少しだけ工夫してみた。「出さないトレーニング」──サークル内で遊ばせながら、排泄のリズムを探る。
ここ数日の記録を見返して、あることに気づいた。
騒いだ直後や、柵の近くでキキとじゃれ合った直後に、サークル内でのトイレ成功率が高いのだ。
ならば、外に出すよりも「中で少し動かして」タイミングを待ってみよう。

8時からは、フードとリードを使ったトレーニング。
「おすわり」と「まて」を繰り返し練習。
まだぎこちないけど、ちゃんと目を見て聞こうとしてくれているのがわかる。
本に書いてあった──成功体験は20回以上繰り返すこと、1週間は同じことを続けること。
焦らず、丁寧に。人間も犬も、すぐに覚えられないのは一緒。
ぼちぼちで、いいんだよね。

お昼までのあいだ、少し外出して、お留守番タイム。
帰宅して見たカメラには、大の字で爆睡中のジュマの姿。
私たちが一緒にいるときより、ずっと無防備でぐっすりしている。
お留守番って、ジュマにとって“安心の時間”にもなってるんだな。

そして、帰宅後。
まだトイレしていないことに気づく。……6時間。これは、そろそろ出る。絶対。
サークルの中で、少し遊ばせて、「今だ」と信じて、じっと見守っていたら──成功。
ほんとうに、うれしかった。
褒めまくって、ドッグフードを2粒プレゼント。
この「成功→解放→ご褒美」の流れを、また1セット重ねられたことが、なによりの喜び。

そのあと、ちょっとした事件。
トイレシートを交換していると、ジュマがシートに噛みついてきた。
「これはチャンスだ」と思って、あえて目の前で見せびらかしてみたら──案の定、がぶり。
そのたびに「No!」と短く、しっかり、目を見て伝える。
4回繰り返した。だんだん、やめるのが早くなってきた気がする。
この繰り返しも、きっと意味がある。
人間の子育てと違って、“我慢する力”が備わってる分、ルールを伝えたら、ちゃんと覚えてくれるんだろうなと感じた。

そして、夕方。
またしても、排泄タイミングが難しい時間帯。なかなかしない。
サークルの外に出すと、その瞬間にしてしまいそうな雰囲気。

ご飯の準備をはじめたら、匂いに興奮したのか……
なんと、クレートの中で、してしまった。

Oh Biscuits──(ブルーイのパパ風に)
流石に、声が出た。思わず「あー!」と。
でも、もう止められない。悔しさと笑いとため息がまじる瞬間。
また黙々と掃除。

そこでまた考える。
なぜ“出せなかった”のか。
もしかして、クレートとトイレの位置? 向き?
クレートからトイレが丸見えだから、落ち着かないのかも?
ということで、またまたサークル配置を微調整。
(本当に毎日何か変えてる気がする)

不思議と苦じゃない──とまでは言えない。
正直、手間もかかるし、振り回されてる部分もある。
だけど、それでも前を向けているのは、これまでの子育て経験と、
「少しずつ進んでいる」っていう実感が、確かにあるから。

ジュマは、環境に慣れてきている。
遊びも、ご飯も、トレーニングも、ちゃんと反応してくれるようになってきた。
うまくいく日も、いかない日もあるけれど、
その全部を糧にして、また明日も、歩いていこう。


記録:ミミさん
(我が家で一番の観察者で、アイデアマンで、子育ても犬育ても、なんでも「発見」に変えてしまう人)