『一歩がつなぐ、午前の光と夕暮れ』

2025年6月21日:2日目の記録です。

朝のリビングに、小さな歓声が響いた。
ジュマがウンチに成功したのだ。

家族4人、拍手に笑顔。
まるで小さなお祭りのようだった。

誰かが主役というより、みんなが一緒にその瞬間を作っていた。
こうして“家族”としての空気が、少しずつ、やわらかく形になっていく。

 

朝ごはんのあと、リードをつけて外へ出た。

昨日と同じく、やっぱりジュマは動かない。
でも、今日は抱っこで近くの公園まで足を伸ばしてみた。

子どもたちは元気に遊びに行って、大人二人と一匹で木陰の地べたに座る。
風の匂いも、土の感触も、ジュマにとってはまだ未知の世界。

 

一歩だけ動いたその瞬間に、思わず拍手しそうになるくらい嬉しかった。

騒がない、吠えない。
ただ静かにそこにいることが、きっと今の彼なりの“挑戦”なんだと思う。

午前のハイライトは、散歩用ボトルから水が飲めたこと。
ほんの数歩だけど、餌につられて動いた脚。
その軽さが、なんだか春先の風みたいだった。

 

昼は抜いて、代わりにモンベルの知育おもちゃ。

キュウリの細切れとドッグフードを詰めて挑戦してみた。
最初こそ戸惑っていたけれど、いつしか全力集中。

まだぎこちないが、やり切ったあとの満足げな顔に、こっちの顔までゆるんだ。

その直後のトイレ成功も、完璧な流れだった。

今はまだ、クレートの中にいるときのほうが成功率が高い。
我慢のリズムは、これからゆっくり育てていこう。

 

夕方には、お庭と家の前で“散歩のようなもの”に再挑戦。

おやつで釣って、ようやく庭を一周。
道路に出たら、15メートル。

たったそれだけ。
でも、昨日よりも確かに前に進んだ。

その歩幅を見て、みんなで歓声。

 

帰り道は踏ん張って動かないジュマに、
家族4人であれこれ話しながら、笑いながら寄り道気分。

赤ちゃんだったころの話をしたり、
「こうしたらいいよ」とアドバイスしたり。

肩の力が抜けて、いい時間だった。

 

夜は、キュウリをまぶしたご飯も完食し、
歯磨きガムは二日目にして堂々たるもの。

「今日は歯ブラシ、いけるかな」と思ったら、
もう眠っていた。

 

さて、今夜は眠れるかな。
どうかね。

私たちも、静かに祈るような気持ちで夜を迎えていた。